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明鏡止水 大澤酒造 長野県佐久市の日本酒
🍶 Sake 2026年4月30日 クロフク編集長

明鏡止水
くもりなき心で醸す
信州佐久が生む銘酒

こんにちは、クロフク編集長です。

蔵の名前を聞いただけで、思わず背筋が伸びる酒があります。「明鏡止水」——磨き上げた鏡のように澄んで、静かな水面のように揺れ動かない。その名が示すとおり、この酒は一切の濁りを嫌います。

醸すのは、長野県佐久市の大澤酒造。元禄2年(1689年)の創業ですから、実に330年以上の歴史を誇ります。中山道の茂田井間の宿として栄えた地に蔵を構え、代々この地の名主として佐久の風土を守り続けてきた旧家です。仕込み水は蓼科山の伏流水。信州の清冽な自然がそのままグラスに宿ります。

くもりのない澄んだ味わいは、名前に込められた哲学そのものです。ここでは、その哲学を体現する一本一本をご紹介します。

① 明鏡止水 純米吟醸 1800ml
明鏡止水 純米吟醸 1800ml

明鏡止水を語るとき、まず手に取るべき一本がこの純米吟醸です。大澤酒造の代表銘柄として長年にわたり愛飲家たちに選ばれ続け、この蔵の「素顔」とも呼べる酒として位置づけられています。長野県産の酒造好適米を丁寧に磨き、蓼科山の伏流水で仕込んだ、実直な一本です。

口に含めば、柔らかくきめ細かな甘みがさっと広がり、その後に静かなキレが訪れます。まるで澄んだ湖面に小石を投げたときの、波紋が広がっては消える瞬間のよう。吟醸香は主張しすぎず、米の旨みを引き立てる脇役に徹しているのが、この蔵らしい誠実さです。

日本酒をこれから深めたい方にも、長年の愛飲家にも。どんな食卓にも静かに寄り添う、この蔵の顔ともいえる定番です。

② 明鏡止水 純米大吟醸 m'24 1800ml
明鏡止水 純米大吟醸 m'24 1800ml

「m」はmeikyoshisuiの頭文字であり、大澤家の当主・大澤誠氏の「M」でもあります。そして「'24」はビンテージを示す年号。大澤酒造がその年の最良の米と技術を注ぎ込んで醸す純米大吟醸のシリーズで、毎年わずかに変化するその表情を楽しむファンも多い一本です。

最高クラスまで磨かれた米から生まれる味わいは、澄みきった朝の空気を胸いっぱいに吸い込んだときのような清々しさです。優雅な吟醸香がふわりと立ち上がり、細くしなやかな旨みが舌の上でゆっくりと溶けていく。静謐な美しさの中に確かな存在感があります。

特別な記念日や大切な人へのギフトとして。あるいは自分へのご褒美に、ゆっくりと向き合ってほしい贅沢な一本です。

③ 明鏡止水 垂氷 純米山田錦 槽しぼり 1800ml
明鏡止水 垂氷 純米山田錦 槽しぼり 1800ml

「垂氷(たるひ)」とは、軒先からつたい落ちる氷のつらら。凛とした冬の情景を名に冠したこの酒は、兵庫県産山田錦を使った純米酒です。搾り方は「槽しぼり(ふねしぼり)」——昔ながらの木の槽に醪を入れ、自重でゆっくりと搾る伝統的な製法で、現代の蔵でも大切に受け継がれています。

槽しぼりならではのやわらかで丸みのある口当たり。山田錦の厚みある旨みが、静かに、しかし確かに全体を包みます。冷やして飲めば、つらら越しに見る冬の空のような透き通ったシャープさも顔をのぞかせて、一口ごとに表情を変える豊かさがあります。

旨みと切れ味の両方を楽しみたい方へ。食中酒として魚料理や鍋物と合わせると、その真価を発揮します。

④ 明鏡止水 辛口本醸造 1800ml
明鏡止水 辛口本醸造 1800ml

本醸造とは、醸造アルコールを少量添加した伝統的な酒の造り方。「辛口」と銘打つこの一本は、日常の食卓をさりげなく彩るために生まれた、大澤酒造の実直な酒です。派手さを求めず、ただ食事と静かに寄り添うことを目的とした、そんな潔さがあります。

キリッと引き締まった辛口の味わいは、料理の邪魔をしません。お燗をつければ旨みが増して温もりを感じさせ、冷やして飲めばすっきりとした切れ味が際立ちます。何度飲んでも飲み飽きしない誠実さ——それがこの酒の本質です。

毎日の晩酌に気軽に使える手頃さも魅力。日本食をこよなく愛する方、料理好きな方に特におすすめの一本です。

⑤ 明鏡止水 純米吟醸 生もと 1800ml
明鏡止水 純米吟醸 生もと 1800ml

「生もと(きもと)」とは、江戸時代から伝わる伝統的な醸造技術。現代では少数の蔵しか行わない、手間と時間のかかる製法です。自然の乳酸菌をゆっくりと育てながら酵母を仕込むこの手法を、大澤酒造は純米吟醸に組み合わせました。伝統と吟醸の品格、その両方を一本に閉じ込めた酒です。

生もと特有の、複雑で奥行きのある味わい。しっかりとした酸味が骨格をつくり、その上に米の豊かな旨みがたっぷりと乗ります。飲むたびに顔を変える、生き生きとした躍動感があります。飲み終わったあとも、心地よい余韻がいつまでも続きます。

日本酒の伝統技術に興味がある方、「もっと複雑な味わいを楽しみたい」という方に。生もとの世界への入り口として最適な一本です。

最後に

元禄2年から続く大澤酒造の蔵に、時間の堆積があります。

代々名主として佐久の地を守り、蓼科の水を汲み続けてきた人々の記憶が、「明鏡止水」という名前に重なります。くもりのない鏡、静かな水面——その言葉が示すのは、単なる味わいの方向性だけではなく、酒造りに向き合う姿勢そのものでしょう。

どの一本にも、そんな時間とこだわりが詰まっています。手に取るとき、蓼科の澄んだ空気を少し思い浮かべながら、ゆっくり飲んでもらえたらうれしいです。

クロフク編集長
EDITOR-IN-CHIEF
酒販業界に5年。営業・EC運営を通じて1000本以上のお酒と向き合ってきた経験から、本当においしい一本だけをご紹介します。
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